Google+: アプリ ダウンロードのインタースティシャルに関する事例紹介

2015年7月24日金曜日

多くのモバイル サイトでは、プロモーション用のアプリ インタースティシャルを使用して、ユーザーにネイティブ モバイル アプリのダウンロードを宣伝しています。アプリによっては、ネイティブ版のほうがユーザー エクスペリエンスが優れており、ブラウザでは簡単にアクセスできない端末機能を使用できるものもあります。そのため、多くのアプリ所有者は自分のオンライン プロパティやサービスのネイティブ版をユーザーに宣伝したいと考えています。しかし、どれくらい積極的に宣伝すべきかは明らかではありません。ページ全体に表示されるインタースティシャルは、ユーザーがアクセスしたいコンテンツの邪魔になっているかもしれません。


そこで Google では、Google+ モバイル ウェブにおけるインタースティシャルの利用状況を詳しく調査することにしました。Google社内でのユーザー エクスペリエンス調査では、インタースティシャルが妨げになっていることがわかりました。昨年の IO でもジェニファー・ゴーブが この話題を取り上げ 、ユーザーの不満が高かったと語っていました。

インタースティシャルは削除すべきと思われましたが、Google ではデータに基づいて意思決定しているため、まずはインタースティシャルが Google ユーザーにどのような影響を与えているかを調べました。その結果、次のようなことがわかりました。

  • Google のインタースティシャル ページにアクセスしたユーザーのうち 9% が「アプリを入手」ボタンを押していました(このユーザーのうち数パーセントは既にアプリをインストールしているか、アプリストアでのダウンロードを完了しませんでした。
  • Google のページから離れたユーザーは 69% でした。これらのユーザーはアプリストアを訪れることもなく、Google モバイル サイトの閲覧も中止しました。

キャンペーンの CTR が 9% というのは良い結果のようですが、Google ではそれよりも、インタースティシャルで遮られたためにサービスの利用をやめたユーザーの数に注目しました。2014年7月、Google は、前述のデータを踏まえて、インタースティシャルの削除がサービスの実際の利用にどのような影響を与えるかについて実験で調査することにしました。Smart App Banner を追加し、モバイル SEO ガイドの よくあるミスを回避する ページ の推奨どおりに、目立たない方法で引き続きネイティブ アプリのプロモーションを行いました。その結果は驚くべきものでした。

  • モバイル サイトの 1 日のアクティブ ユーザーは 17% 増加しました。
  • Google+ の iOS ネイティブ アプリのインストール数には、ほとんど影響がありませんでした(-2%)(Android 搭載端末からのインストール数については、ほとんどのユーザーが Google+ をインストール済みなのでここでは扱いません)。

この結果に基づき、このインタースティシャルを完全に廃止することにしました。Google サービスでユーザー数が増えたことはプラスの変化です。この結果を見て、ウェブマスターの皆様にはプロモーション インタースティシャルの使用を再考していただければと思います。邪魔なものを取り除いて、モバイル ウェブのユーザー エクスペリエンスを向上させましょう!
(この調査の結果、Google は App Banner すら表示しないような、 より心地よいモバイル体験 (英語)を提供することにしました。※このバナーは、iOS6 以下では表示されています。)