Google 検索セントラル 1 周年

2021 年 11 月 17 日(水曜日)

1 年前、Google は新たにサイトを立ち上げ、愛用されてきた「Google ウェブマスター」という名称から「Google 検索セントラル」に変更すると発表しました。2020 年の初めに、コンテンツの場所をわかりやすくするため、すべてのコンテンツを一つの場所にまとめようという夢と希望に満ちていましたが、すぐに大量の作業が必要であることがわかりました(まったく思いがけないことでした)。

Google 検索セントラル 1 周年を祝う Googlebot と Crawley

リリース以降の取り組み

この 1 年は、社内 SEO チームの協力を得て、コンテンツの改善、多数の新しいドキュメントの作成、13 言語のブログの移行、ホームページの新たなチェックリストの作成に取り組んできました。

Google の SEO 担当者と協力してコンテンツを改善する

Google 検索セントラルのコンテンツを改善するため、Google の SEO 担当者に相談しました。これに応えて、数千もの URL のサイト移行を管理して、機能しないリダイレクトを特定し、トラフィックが新しいサイトに正しく移動するよう手助けしてくれました。また、協力して、200 以上のページで タイトル要素説明を改善しました。

まずは、読者からの閲覧数が多く優先度の高いドキュメントや、トラフィックを増やす必要があると思われるドキュメントから始めました。また、トラフィックの最適化を解除するケースもありました(たとえば、サイト所有者からの削除依頼のみが対象ですが、検索ユーザーからページの削除を求めるフィードバックが届くこともありました)。

John と Lizzi をはじめとする検索リレーションズ チームから SEO の支援を求められるというのは、そうそうあることではありません。Google 自身の SEO ガイドラインに基づいて、公式の SEO コンテンツの SEO を支援するというのは、不思議な任務です。さらに、Google Meet の通話相手である John と Lizzi をはじめとする検索リレーションズ チームに SEO のコンサルティングを依頼するのは、もっと不思議なことです。それでも、このような課題と機会に取り組むことは、とても素晴らしい体験でした。

Google で SEO を行うことは、それがすべてのサイトの検索セントラルに対して行う場合でも、本当に重要なことです。このプロジェクトには、Google のその他の多くのマーケティング、コンテンツ、プロダクト ウェブサイトと同じようにアプローチしました。このアプローチは、全般的に、この業界で働く人と同じアプローチであり、ガイドラインやベスト プラクティス、経験に裏打ちされたものです。しかし、Google 検索と Google の SEO 担当者とを厳密に分けるために、利用できるツール、データ、情報には制限があります。これは、Google が不当に優位に立つことを防ぐためです。

検索セントラルの移行のサポートは、これまでサポートしてきた移行と同じように行われました。主要なページのキーワード調査とメタデータ最適化を行い、リダイレクト マッピングとリダイレクトの QA をサポートし、Google データポータルのダッシュボードを設定して進捗の管理と移行後の分析を行いました。一般的な SEO 移行のチェックリストですね。

移行後の SEO コミュニティの反応も、たいへん喜ばしいものでした。私たちは、Twitter で積極的に活動し、すべての SEO 関連の出版物を購読しているので(結局は普通の SEO 担当者にすぎないのです)、フィードバックやすべての記事を読んだり、「Google 検索オフレコ」ポッドキャストでお声をいただいたりするのはとてもうれしいことでした。

このような機会を与えてくれた Lizzi、John をはじめとする検索リレーションズ チームのメンバーに感謝します。今後もパートナーシップを継続し、Google 検索セントラルを成長させることができれば幸いです(自分本位な投稿内容をお許しください)。

- Jason Stevens、Growth Lab SEO(Google 社内 SEO チーム)

ドキュメントの追加

ドキュメントのインデックス登録とクロールを再構築しました。具体的には、トピックごとの分類、新しいドキュメントの公開、以下のトピックに関するガイダンスの刷新を行いました。

13 言語のブログの移行

数週間前に、2005 年のコンテンツにまでさかのぼって、13 言語のブログの移行とリダイレクトを完了しました。数千もの投稿を対応する英語のコンテンツと一致させ、各コンテンツで簡単に言語を切り替えられるようにしました。このようにコンテンツを同期することで、今でも人気のある投稿をより多くの言語に展開できます。また、以前翻訳されたものを保存して残すことで、すでにあるコンテンツをユーザーが簡単に見つけられるようになります。

ホームページの新しいウィジェット

ホームページでは、ユーザーが選択した役割に基づいておすすめの記事を表示する新しいウィジェットを最近公開しました。よりインタラクティブに、検索での存在感を高める方法を確認することができます。

Google 検索セントラルのランディング ページのインタラクティブなチェックリスト

学習パスの作成に用いたユーザー調査により、ホームページにアクセスしたユーザーは(具体的な問題があり詳細 URL にアクセスしたユーザーとは対照的に)、スムーズなスタートを期待しているか、全般的に情報を見つけようとしていることがわかりました。このインタラクティブな学習パスにより、SEO 担当者、デジタル マーケティング担当者、ビジネス オーナーなどのさまざまな新規ユーザーが、より効率的かつ構造化された方法で Google 検索セントラルのコンテンツを探索できるようになることを期待しています。

また、多くの SEO 担当者から、SEO 担当者以外のユーザー層を対象とするリソースを求める声を聞いています。SEO 担当者は、事前定義された ?card=owner パラメータを URL に使用すると、特定の学習パスやウェブサイト所有者のチェックリストを共有できます。グラフィックがシンプルになったことで、検索機能がより視覚的になり、機能が認識しやすくなっています。引き続きウィジェットの改良を続けているため、今後数か月でさらに多くの変更や改善が行われると見込まれます。

改善内容

Google 検索セントラルに移行された URL に対する Google 検索からのクリックは、2021 年 1 月から 2021 年 10 月までの期間を前年と比較すると 240% 増加していました。以下のグラフは、移行前と移行後の 3 か月間のコンテンツのクリック数(別々の場所に配置されていた場合と、1 つの場所で統合されている場合)を示しています。

移行前後の 3 か月間に記録された Google 検索セントラルのコンテンツへのクリック数を表すグラフ

移行と再設計の結果、検索セントラル ブログのパフォーマンスはウェブマスター セントラル ブログを上回りました。移行後の 3 か月間で、検索セントラル ブログのクリック数は 159%、インプレッション数は 23% 増加しました。このデータには英語のウェブマスター セントラル ブログのみが含まれます。13 言語のブログの移行は完了したばかりだったためです。検索セントラル ブログへのトラフィックを引き続きモニタリングし、各言語のブログの移行がサイトのトラフィックにどのように影響するかを確認します。

Search Console ヘルプセンターから移行された記事のクリック数も増加しました。たとえば、サイトマップ(クリック数 +99%)、robots.txt(クリック数 +27%)、HTTPS(クリック数 +66%)でパフォーマンスが改善されました。

効果的だった点と、そうでない点

1 か月もたたないうちに Google 検索セントラルという新しい名称が使用され始めたことがわかりました。SEO 担当者がキーワード プランナーを利用して名称変更に対する検索インタレストをモニタリングしたところ、Google 検索セントラルをリリースしてプロモーションを行った後は「Google 検索セントラル」が「Google ウェブマスター セントラル」を検索インタレストで上回っていました(+250%)。

新しいサイトでの公開がはるかに簡単になったことも貢献しています。担当チームから協力していただいたコンテンツが増えてきています。それは自動的に、サポートされているすべての言語で、シームレスにより多くのコンテンツが公開されることにつながります。以前はブログ投稿の翻訳に数か月かかることがありましたが、新しいサイトではわずか数日で翻訳済みのコンテンツを利用できるようになっています。

大規模なリリースには必ずあることですが、計画どおりに機能しなかった点がありました。

  • 現地語のブログの移行。URL のマッピングに想定以上の時間がかかり、その途中で、Python スクリプトが機能しないなど、他の一時的な問題に遭遇しました。
  • 1 年前のリリース日に終了予定の作業の一部を完了できなかった(ホームページのチェックリスト、ブログの移行などのウィッシュリストの項目)。

振り返り

サイト全体の移行とリブランディングのプロジェクトは、チームの目を開かせるような経験でした。特に注目すべき点を以下に示します。

  • 言語は難しいものです。1 つの言語で 1 つのサイトを移行するだけでも簡単なことではありません。そのうえ、13 言語のサイトごとに別々の JavaScript リダイレクトを必要とする独自の URL パターンがあるとなると頭が痛くなります。
  • ドッグ フーディングは必要です。JavaScript リダイレクトは、メタ リダイレクトと同程度に優れていることがわかりました。
  • RSS がまだまだ人気があり、新しいブログに追加する必要がありました。
  • 脱 SEO というと不思議なものに聞こえますが、実際、良いトラフィックを獲得したいのです。
  • SEO に関するサイトで SEO 担当者と一緒に作業を行っていると頭が混乱します。最適化について語っているサイトの最適化を行っているのですから。

もう一度やってみたいか

Lizzi がそう Gary に尋ねたところ、なんと答えたと思いますか?答えは「いいえ」でした。

今後の予定

今年も終わりに近づいたところで、2022 年の Google 検索セントラルの展開について考え始めています。来年書くべきトピックや、サイトに追加すべき機能はあるでしょうか?Twitter で #SearchCentral2022 というハッシュタグを付けてお知らせください。