BigQuery の統合

BigQuery は、GEOGRAPHY データ型を使用するベクトルデータなど、ペタバイト規模の SQL 分析に適したサーバーレス データ ウェアハウスです。Google Earth Engine は、地理空間ラスター分析に特化した惑星規模のプラットフォームであり、膨大なデータカタログを提供します。これらを組み合わせることで、ベクターデータとラスターデータの両方を含む複雑な地理空間の課題に取り組むための、独自の包括的な環境が構築されます。

BigQuery と Earth Engine を統合すると、BigQuery のベクターデータを Earth Engine のラスター分析情報で拡充し、Earth Engine 分析で BigQuery に保存および管理されているデータにアクセスできる効率的なワークフローを実現できます。両方を使用すると、次の機能にアクセスできます。

  • BigQuery: 大規模なベクトル データセット用のスケーラブルなストレージと SQL ベースの分析。
  • Earth Engine: ペタバイト規模のラスターデータの強力な処理と、豊富な地理空間カタログへのアクセス。

これらのプラットフォームが相互運用する主な方法は次のとおりです。

  • BigQuery 内でのラスターデータのクエリ: ST_REGIONSTATS SQL 関数を使用して、BigQuery でゾーン統計を直接実行します。
  • BigQuery データを Earth Engine に読み込む: BigQuery テーブルまたはクエリ結果に ee.FeatureCollection オブジェクトとしてアクセスし、Earth Engine スクリプトで使用します。
  • Earth Engine データを BigQuery に書き込む: Earth Engine 分析の ee.FeatureCollection 結果を BigQuery テーブルにエクスポートして、保存と詳細な分析を行います。

以降のセクションでは、これらの各機能について詳しく説明します。

BigQuery 内でラスターデータをクエリする

BigQuery の ST_REGIONSTATS 関数を使用すると、Earth Engine のラスター分析を BigQuery SQL で実行できます。GEOGRAPHY データを含む BigQuery テーブルのラスターデータのリージョン統計情報を計算します。

  • 主な用途: BigQuery 内のゾーン統計とラスター分析。
  • データソース: Analytics Hub、Cloud Storage GeoTIFF、Earth Engine アセット。

この関数を使用すると、BigQuery 内で Earth Engine の 100 PB を超える地理空間データカタログを直接クエリできます。この関数は、独自の Earth Engine アセットや Cloud Storage の GeoTIFF にも適用できます。

ST_REGIONSTATS の詳細については、BigQuery のラスターデータの操作ページをご覧ください。

Earth Engine から BigQuery データを読み取る

Earth Engine は、BigQuery データに ee.FeatureCollection オブジェクトとして直接アクセスできるため、BigQuery データを可視化して Earth Engine 分析に組み込むことができます。

  • ee.FeatureCollection.loadBigQueryTable(): BigQuery テーブルを Earth Engine に読み込みます。
  • ee.FeatureCollection.runBigQuery(): BigQuery SQL クエリを実行し、結果を Earth Engine に取得します。

これらの関数を使用すると、Earth Engine のラスター中心の地理空間分析プラットフォーム内で BigQuery のベクターデータをシームレスに使用できます。

これらの関数の詳細については、BigQuery から読み取るをご覧ください。

Earth Engine ベクターデータを BigQuery に書き込む

Earth Engine では、Export.table.toBigQuery() 関数を使用してベクターデータを BigQuery にエクスポートできます。

  • 機能: ee.FeatureCollection オブジェクトを BigQuery テーブルにエクスポートします。
  • メリット: BigQuery で Earth Engine の結果の詳細な分析、統合、保存が可能になります。

これにより、Earth Engine の処理によるベクターデータの結果を BigQuery で簡単に利用できるワークフローが実現します。

Earth Engine ベクターデータを BigQuery に書き込む方法については、BigQuery へのエクスポートのページをご覧ください。