Apps Script エディタではなくターミナルから Apps Script プロジェクトの開発と管理を行うには、clasp
というオープンソース ツールを使用します。
clasp
Codelab では、すべての clasp
機能の概要を確認できます。
機能
ローカルで開発する
clasp
を使用すると、Apps Script プロジェクトをローカルで開発できます。自分のパソコンでコードを記述して、完成後に Apps Script にアップロードできます。既存の Apps Script プロジェクトをダウンロードして、オフラインでも編集できるようにすることもできます。コードはローカルであるため、Apps Script プロジェクトをビルドする場合は、git
などの任意の開発ツールを使用できます。
デプロイのバージョンの管理
プロジェクトの複数のデプロイメントを作成、更新、表示します。
コードを構造化
clasp
を使用すると、script.google.com にアップロードする際に保持されるディレクトリにコードを整理できます。次に例を示します。
# On script.google.com: ├── tests/slides.gs └── tests/sheets.gs # Locally: ├── tests/ │ ├─ slides.gs │ └─ sheets.gs
要件
clasp
は Node.js で記述され、npm
ツールを介して配布されます。clasp
を使用するには、Node.js バージョン 4.7.4 以降がインストールされている必要があります。Node.js のインストールには管理者権限が必要です。
インストール
Node.js をインストールしたら、次の npm
コマンドを使用して clasp
をインストールできます。
npm install @google/clasp -g
インストール後、コンピュータ上の任意のディレクトリから clasp
コマンドを使用できるようになります。
clasp
の使用
clasp
を使用すると、コマンドラインからさまざまなタスクを処理できます。このセクションでは、clasp
を使用して開発する際に使用できる一般的なオペレーションについて説明します。
ログイン
このコマンドは、Google アカウントの Apps Script プロジェクトにログインし、管理を承認します。実行したら、Apps Script プロジェクトが保存されている Google アカウントにログインするよう求められます。
clasp login
ログアウト
このコマンドはコマンドライン ツールからログアウトします。clasp
を引き続き使用するには、clasp login
を使用して Google での再認証を行う必要があります。
clasp logout
新しい Apps Script プロジェクトを作成する
このコマンドにより、現在のディレクトリに新しいスクリプトが作成され、必要に応じてスクリプトのタイトルが付けられます。
clasp create [scriptTitle]
このコマンドを実行すると、現在のディレクトリに次の 2 つのファイルも作成されます。
- スクリプト ID が格納された
.clasp.json
ファイル。 - プロジェクト メタデータを含む
appsscript.json
プロジェクト マニフェスト ファイル。
既存のプロジェクトのクローンを作成する
このコマンドは、現在のディレクトリ内の既存のプロジェクトのクローンを作成します。スクリプトは、Google アカウントで作成または共有する必要があります。クローンを作成するスクリプト プロジェクトを指定するには、スクリプト ID を指定します。
プロジェクトのスクリプト ID を確認する手順は次のとおりです。
- Apps Script プロジェクトを開きます。
- 左側にある [プロジェクトの設定] をクリックします。
[ID] 欄のスクリプト ID をコピーします。
clasp clone <scriptId>
スクリプト プロジェクトをダウンロードする
このコマンドにより、Apps Script プロジェクトが Google ドライブからパソコンのファイル システムにダウンロードされます。
clasp pull
スクリプト プロジェクトをアップロードする
このコマンドは、スクリプト プロジェクトのすべてのファイルをパソコンから Google ドライブにアップロードします。
clasp push
プロジェクト バージョンを一覧表示する
このコマンドは、スクリプト プロジェクトの各バージョンの数と説明を一覧表示します。
clasp versions
公開済みプロジェクトをデプロイする
スクリプト プロジェクトは、ウェブアプリ、アドオン、実行可能ファイルとしてデプロイできます。デプロイメントは、スクリプト エディタ、プロジェクト マニフェスト、または clasp
を使用して作成できます。
clasp
を使用してプロジェクトをデプロイするには、まず Apps Script プロジェクトの不変バージョンを作成します。バージョンはスクリプト プロジェクトの「スナップショット」であり、読み取り専用の分岐リリースに似ています。
clasp version [description]
このコマンドにより、新しく作成されたバージョン番号が表示されます。この番号を使用して、プロジェクトのインスタンスをデプロイまたはデプロイ解除できます。
clasp deploy [version] [description]
clasp undeploy <deploymentId>
このコマンドは、既存のデプロイメントを新しいバージョンと説明で更新します。
clasp redeploy <deploymentId> <version> <description>
デプロイのリスト表示
このコマンドは、スクリプト プロジェクトのデプロイ ID、バージョン、説明を一覧表示します。
clasp deployments
Apps Script エディタでプロジェクトを開く
このコマンドにより、Apps Script エディタでスクリプト プロジェクトが開きます。エディタがデフォルトのウェブブラウザに新しいタブとして起動します。
clasp open
clasp
オープンソース プロジェクトへの貢献
GitHub の clasp
に投稿してください。