Google アナリティクス 4(GA4)プロパティを使用すると、ウェブサイトとアプリでユーザー操作およびイベントの一貫した測定が可能になります。モバイルアプリに WebView が埋め込まれていたり、モバイルアプリに対応するウェブ版のアプリがあったり、モバイルと同様かそれをさらに発展させたエクスペリエンスを提供するウェブページがあったりする場合は、Google アナリティクスの測定戦略に GA4 プロパティを導入することをおすすめします。gtag.js または Google タグ マネージャーをご使用の場合は、タグ変更なしで GA4 プロパティを実装することができます。
Google アナリティクス 4 プロパティでのイベントとパラメータの仕組み
イベントとは、アプリまたはウェブサイトで特定の時間に発生した、ユーザーに関連する特定のアクションを指します(page_view
、add_to_cart
、form_submit
など)。
パラメータは、各イベントとともに送信することができます。パラメータとは、イベントの詳しいコンテキストを提供する追加のメタデータです。たとえばパラメータを使用して、どのようなイベントが、どこで、どうやって、なぜ発生したのかについての情報を提供することができます。
page_title
などの一部のパラメータは、自動的に送信されます。自動送信されるパラメータに加えて、イベントごとに最大 25 個のカスタム パラメータを送信することができます。たとえば、level_up
などのゲームに関連するイベントの場合は、level_number
、character_name
などのパラメータを追加することができます。あるいは、content_view など、コンテンツに関連するイベントの場合は、article_id
、article_title
、author_name
、author_id
などのパラメータを追加できます。
GA4 プロパティのレポートには、アプリとウェブサイトから送信されたイベントとパラメータに関する情報が表示されます。
最初のタグ設定
GA4 プロパティを使い始めるにあたって、まずはモバイルアプリで Firebase と Google アナリティクスを使用できるようにする必要があります(設定が済んでいない場合)。
次に、Google アナリティクスでプロパティのウェブ ストリームを有効にします。
Google アナリティクスのリアルタイム レポートにデータがきちんと表示されれば、タグは正しく設定されています。
イベント
イベントを活用すると、ユーザー操作、システム イベント、エラーなど、アプリで発生しているアクションや事象を把握できます。Google アナリティクスでは、多くのイベントが自動的に記録されます。自動的に収集されるイベントデータを基にレポートを作成するのに、コードを追加する必要はありません。他のイベントデータを収集する必要がある場合は、最大 500 種類のアナリティクスのイベントをログに記録することができます。アプリで記録できるログの量に制限はありません。
自動的に収集されるイベント
グローバル サイトタグは、first_visit
、session_start
、user_engagement
、page_view
などのイベントとユーザー プロパティを自動的に収集します。
推奨イベント
推奨イベントには、すべてのアプリ向けのものと、特定のビジネスや業種向けのものがあります。推奨イベントとパラメータを一緒に送信することで、GA4 プロパティのレポートに詳しい情報を表示することができます。また、リリースされる最新の機能や統合を活用することもできます。
推奨イベントを使用してデータをキャプチャすると、指定したイベントとパラメータの組み合わせに基づく詳細なレポートを生成できます。また、オーディエンスを作成したり、他の Google サービス(Google 広告や Google マーケティング プラットフォームなど)と統合したりすることもできます。
カスタム イベント
カスタム イベントとは、ユーザーが独自に作成するイベント(自動イベントおよび推奨イベントに該当しないイベント)です。新しいイベントを作成する前に、同じ機能を持つ推奨イベントまたは自動イベントがすでに存在していないかご確認ください。
ウェブページで発生する推奨イベントまたはカスタム イベントをログに記録するには、event
コマンドを使用します。たとえば、event
コマンドを使用し、method
の値を「Google」に指定して login
イベントを送信することができます。
gtag('event', 'login', {
'method': 'Google'
});
詳細については以下をご覧ください。
- Gtag.js
- Google アナリティクス イベント:
データ収集とレポート
Google アナリティクスの GA4 プロパティを設定して情報を収集すると、さまざまなケースでコンテンツがどのように利用されているかを分析できます。Google アナリティクスに送信するデータはカスタマイズが可能です。以下に一般的な使用例をいくつか紹介します。
ページビューとスクリーン ビュー
GA4 プロパティをウェブページに導入すると、デフォルトで page_view
イベントが収集されます。モバイルでは、page_view
イベントではなく、screen_view
イベントが使用されます。Firebase を使用するアプリでは、アプリ画面が表示されると自動的に関連情報が記録されます。
多くのケースで、ウェブページでも screen_view
イベントのキャプチャが設定されます。これには、モバイル画面と同じデザインと機能を持つウェブページや WebView 画面が埋め込まれたモバイルアプリ、モバイル ウェブアプリなどがあります。
Firebase モバイルアプリでは、アナリティクスは現在フォーカスがある UIViewController
または Activity
のクラス名を自動的にログに記録します。
ウェブの場合は、ウェブページにある <title>
タグのテキスト コンテンツが記録されます。あるいは、screen_name
プロパティを使って値を明示的に送信することもできます。
gtag('event', 'screen_view', {
'app_name': 'myAppName',
'screen_name' : 'Home'
});
レポートは、Google アナリティクスのテスト結果レポートのページに表示されます。詳しくは、テスト結果レポートに関する記事をご覧ください。
コンバージョン
コンバージョンでは、マーケティングのそれぞれの要素で発生したコンバージョン イベントの数とイベントの価値に関する情報を収集できます。Google アナリティクスでは任意のイベントをコンバージョンとしてマークすることができますが、一部のイベント(first_open
、purchase
)はデフォルトでコンバージョンとしてマークされています。詳細
e コマース
コンバージョンに加えて e コマース イベント全体を送信すると、コンバージョン サイクル全体を把握するのに有効です。サポートされているイベントのリストには、view_item
、add_to_cart
、begin_checkout
などのイベントと推奨パラメータのリストが含まれており、詳細な商品分析を行うことができます。詳細
Google アナリティクスでは、購入イベントは自動的にコンバージョンとみなされます。また、add_to_cart
イベントなどの e コマース イベントをコンバージョンとしてカウントします。詳しくは、コンバージョン レポートに関する記事をご覧ください。
ユーザー プロパティ
ユーザー プロパティとは、言語設定や地域など、ユーザーベースのセグメントを表現するのに使用される属性を指します。アナリティクスでは、一部のユーザー プロパティが自動的にログに記録されます。他のデータを収集したい場合は、プロジェクトごとに最大 25 個のユーザー プロパティを追加設定することができます。詳しくは、ユーザー プロパティのレポートに関する記事をご覧ください。
オーディエンス
オーディエンスを使用すると、ビジネスの目的に合わせてユーザーのセグメントを作成することができます。イベント、パラメータ、ユーザー プロパティのほか、参照元、メディア、キャンペーンなどのディメンションを組み合わせて、多様なユーザーのサブセットを作成できます。詳しくは、ユーザーリストに関する記事をご覧ください。