この記事は、Google の同意モードを(直接、または同意管理ソリューションを通して)利用されているウェブサイトの開発者と管理者の方向けに、同意モードの動作の問題を解決する方法を解説したものです。Tag Assistant では、以下を使った同意ステータスの設定と更新が機能しているかどうか、またどのように行われているかを調べることができます。
- gtag の同意コマンド
- タグ マネージャーの同意モード テンプレートから作成されたタグ
- 透明性と同意に関するフレームワーク(TCF)
Tag Assistant はウェブ アプリケーションで、ブラウザ拡張機能 Tag Assistant Companion(任意・推奨)を導入するとさらに便利に活用できます。Tag Assistant では以下の確認が可能です。
- タグが配信される前に、各同意タイプ(
ad_storage
、analytics_storage
など)のデフォルト同意ステータスが正しく設定されているかどうか。適切なデフォルト値は、組織のポリシーに応じて決まります。 - ユーザーが同意または拒否を表明した際に、同意ステータスが正しく更新されているかどうか。
- 各タグがチェックする同意タイプ。
- 各タグのトリガー時に必要な同意タイプが許可されていたかどうか、また必要な追加の同意に関するチェックをそのタグが通過したかどうか。
同意設定のデバッグ
同意設定をデバッグするには、Tag Assistant を起動し、サイト内のページを開いて、想定されるユーザーの行動を再現します。考え得るすべての使用ケースを、それぞれ別個のテストとして再現しましょう。たとえば、同意をすべて拒否した場合やすべて許可した場合をはじめ、あらゆる組み合わせをテストします。また、同意チェック付きのタグをすべてトリガーするため、必要に応じてページ内で追加のアクションを行います。各テストの完了後、Tag Assistant のウィンドウに切り替えます。
Tag Assistant の左側ペインには、ページ内のイベントが新しい順に表示されます。操作方法は次のとおりです。
- イベントを選択すると、その時点での同意ステータスと同意設定を確認できます。
- [Consent] タブを選択すると、保存情報のタイプごとの同意ステータスを確認できます。
- [Tags] タブを選択すると、タグの配信や、同意ステータスによるタグのブロックの発生を確認できます。
同意モードの例
次の例は、ページをテストした後の Tag Assistant のウィンドウを示したものです。Consent イベントが選択されており、[Consent] タブ内に、ad_storage
および analytics_storage
のその時点での Event Consent State(イベントの同意ステータス)が表示されています。[Event Consent Configuration Status] 表には、各イベントの時点におけるデフォルト値と同意更新コマンドの有無がそれぞれ表示されています。この情報は、ユーザーが同意または拒否を表明した際に同意ステータスが正しく更新されるかどうかを確認するのに役立ちます。
同意ステータスが更新されると、[Default] および [Update] ステータスが「Detected」になります。
TCF の例
次の画面では、[Event Consent Configuration Status] 表の下に TCF compatibililty enabled というメッセージが表示されています。このメッセージは、同意ステータスの設定に TCF を使用している場合に表示されます。
Tag Assistant が実装エラーを検出した場合も、[Event Consent Configuration Status] 表の下にその旨が表示されます。
同意設定における問題
Tag Assistant は、同意設定の処理の順序やタイミングに関する最も一般的な問題を検出できます。
[同意] タブに何も表示されない
ページに同意モードが実装されていなければ、Tag Assistant の [Consent] タブには何も表示されません。
同意のデフォルト値を設定するタイミングが遅い
ページにおける同意ステータスのデフォルト値の設定は、他のタグやコードが同意ステータスを使用または更新しようとする前に完了している必要があります。デフォルト値を設定するタイミングが遅すぎると、期待する効果が得られない可能性があります。
たとえば次のシナリオでは、デフォルトの同意ステータスが設定される前に、Ad タグが Cookie の読み書きを行っています。
- ユーザーがページを開く
- Ad タグが配信される
- 同意ステータスのデフォルト値が「拒否」に設定される
この場合、Tag Assistant が次のエラーを表示します。
状況に応じた解決方法は次のとおりです。
- ページ内にハードコードされた gtag の同意デフォルト値コマンドによってデフォルト値を設定している場合: ページ内で gtag の同意デフォルト値コマンドを呼び出すコードはすべて、同意情報を使用している可能性があるタグ スニペットやその他のコードよりも上(前)に移動します。同意ステータスのデフォルト値を非同期的に設定することは避けましょう。
- Google タグ マネージャーを使用している場合: テンプレート タグによって同意ステータスのデフォルト値が設定されている場合、同意書き込みのテンプレート タグは同意初期化トリガーによって配信され、同意ステータスに依存する他のタグはすべて同意初期化よりも後のトリガーによって配信されるようにします。Google タグ マネージャーでカスタム HTML タグを使って gtag の同意コマンドを呼び出している場合は、代わりにカスタム テンプレート API を使って同意ステータスを設定するテンプレート タグを導入しましょう。