タグの役割は、ウェブページやモバイルアプリを測定し、なんらかのイベントが発生した場合にデータを送信できるようにすることです。このデータには、イベントのタイプに関する情報と、イベントに関する情報を記述するパラメータを含めることができます。
イベントとは
イベントは、ユーザーがウェブサイトのコンポーネントを操作したときに発生します。イベントには次のようなものがあります(これらに限定されません)。
- ウェブページの読み込み
- リンクのクリック
- フォームの送信
- 動画再生
- 購入
- 定期購入
- アプリ インストール
パラメータとは
パラメータは、イベントに関連付けられるデータです。パラメータの例として、以下のようなものがあります。
- アイテムの価値
- クーポンコード
- ログイン方式
- トランザクション ID
- 通貨
イベントとパラメータを使用して、顧客の好みに関する多くの情報を把握できるほか、閲覧回数が最も多い商品ページはどれか、クリックされる頻度がより高いボタンはどれか、購入やサブスクリプションにつながっているキャンペーンはどれかといった疑問を解決することもできます。
event
コマンド
Google タグで使用される event
コマンドは、Google の広告サービスや測定サービスにイベントデータを送信します。event
コマンドのプロトタイプは次のようになります。
gtag('event', '<type>', {<parameters>});
<type>
はイベントの種類です(Google 広告のコンバージョン イベント、Google アナリティクス 4 のイベント名など)。<parameters>
は、イベントを記述するデータを格納する名前と値のペアのオブジェクトです。
タグ マネージャーのイベント
タグ マネージャーのイベントは、使用するタグのタイプに基づいて設定します。たとえば、以下の場合です。
- Google 広告のコンバージョン イベントは、Google 広告コンバージョン トラッキング タグを使用して送信します。
- Google アナリティクス 4 のイベントは、Google アナリティクス: GA4 イベント タグで設定します。
- ユニバーサル アナリティクス タグのイベントは、Google アナリティクス: ユニバーサル アナリティクス タグの [トラッキング タイプ] で設定します。
- Floodlight イベントは、Floodlight カウンタ タグまたは Floodlight 販売タグで設定します。
タグ マネージャーでは、トリガーを使用してトラッキングするイベントを指定し、そのイベントの発生についてウェブページまたはモバイルアプリをリッスンします。イベントが発生すると、タグが配信され、指定されたサービスにデータが送信されます。
Google 広告コンバージョン
Google 広告のコンバージョン イベントでは、ユーザーが広告を操作した後のアクティビティを測定します。これらのコンバージョンには、新規登録、購入、アプリのダウンロードなどにつながるイベントを指定することができます。このタグを使用する場合は、事前に Google 広告ヘルプセンターでこの機能の仕組みの詳細を確認しておくことをおすすめします。
Google 広告のコンバージョン タグを設定するには、必須の Google 広告コンバージョン ID とコンバージョン ラベルを入力する必要があります。また、必要に応じてコンバージョン値、通貨コード、トランザクション ID を入力します。
gtag.js
Google タグの実装では、イベントは gtag('event',
'conversion'...)
で送信されます。例:
gtag('event', 'conversion', {
'send_to': 'AW-CONVERSION_ID/CONVERSION_LABEL',
'value': 1.0,
'currency': 'USD',
'transaction_id': '12345',
});
タグ マネージャー
- タグ マネージャーで、新しい Google 広告タグを作成します。ホーム画面で、[新しいタグ] > [タグの設定] > [Google 広告コンバージョン トラッキング] を選択します。
- Google 広告アカウントにログインして、タグの設定で使用する値を収集します。
- Google 広告アカウントで [ツールと設定](
)メニューをクリックします。
- [測定: コンバージョン] を選択して、「コンバージョン アクション」表を表示します。
- 使用するコンバージョンの名前を [コンバージョン アクション] 列から選択します。
- [タグを設定する] のタブを展開して、タグの詳細を表示します。
- [Google タグ マネージャーを使用する] を選択します。
- コンバージョン ID とコンバージョン ラベルをコピーします。
- Google 広告アカウントで [ツールと設定](
タグ マネージャーで、手順 2 で取得した必須のコンバージョン ID とコンバージョン ラベルの値を該当のフィールドに追加します。必要に応じて、コンバージョン値、トランザクション ID、通貨コードを追加することもできます。該当する場合は、フィールドの値に対応するタグ マネージャー変数を使用します(たとえば、ほとんどのケースではトランザクション ID で変数を使用します)。
[トリガー] でトリガーを選択して、タグを配信するタイミングを指定します。
[保存] をクリックして、タグの設定を完了します。
詳しくは、Google 広告コンバージョンを設定する方法をご確認ください。
Google アナリティクス 4 イベント
Google アナリティクス 4 プロパティでは、測定可能なすべてのユーザー アクションがイベントと見なされます。イベントには、ページの読み込み、リンクのクリック、フォームの入力、ショッピング カートへの商品の追加、決済、ページ スクロール、動画再生、アプリのインストールなどがあります。Google アナリティクス 4 のイベントでは、カスタム パラメータとユーザー プロパティがサポートされているため、アクティビティを極めて柔軟に測定できます。
Google のタグ プラットフォームには、主に 4 種類のイベントが示されます。これらはサービスによって異なりますが、一般的には次のように分類されます。
自動収集イベントは、お客様側で計測手法を追加しなくても、gtag.js やタグ マネージャーのタグから送信されるイベントです。自動収集イベントの一般的な例としては、
ad_click
、page_view
、video_progress
などがあります。詳細拡張計測イベントは、Google アナリティクス内でイベントを有効にしたときに、gtag.js やタグ マネージャーのタグから送信されるイベントです。拡張計測イベントの一般的な例としては、
scroll
、click
、file_download
などがあります。詳細推奨イベントは、効果的な測定を行うために追加のコンテキストを必要とする一般的な測定シナリオに適しています。推奨イベントの一般的な例としては、
login
、purchase
、search
などがあります。これらは追加のコンテキストを必要とするため、自動的に送信されることはありません。詳細カスタム イベントは、お客様が定義するイベントです。自動収集されておらず、推奨イベントでもありません。実践ではできる限り自動収集イベントや推奨イベントを使うようにして、これらのイベントが要件に合わない場合に限ってカスタム イベントをご利用ください。詳細
gtag.js や Google タグ マネージャーでイベントを設定する方法については、イベントを設定するをご覧ください。
ユニバーサル アナリティクス イベント
ユニバーサル アナリティクス イベントは、以前のイベント / カテゴリ / ラベル / 値モデルに基づいています。
gtag.js
次の構文で gtag('event')
コマンドを使用します。
gtag('event', <action>, {
'event_category': <category>,
'event_label': <label>,
'value': <value>
});
次の例では、アクションが 'Downloads'
、カテゴリが 'MP3'
、ラベルが「Debussy - Clair de lune」のイベントが送信されます。
gtag('event', 'Downloads', {
'event_category' : 'MP3',
'event_label' : 'Debussy - Clair de lune'
});
<category>
または <label>
を省略した場合は、デフォルト値「(not set)
」に設定されます。
タグ マネージャー
Google タグ マネージャーでユニバーサル アナリティクス イベントを送信するには、次の 2 つのコンポーネントが必要です。
- Google アナリティクス: ユニバーサル アナリティクス タグ
- タグを配信するトリガー。
詳細については、ユニバーサル アナリティクス タグに関するヘルプセンター ドキュメントをご確認ください。
ユニバーサル アナリティクス イベントの情報は、次のように構成されています。
名前 | タイプ | デフォルト値 | 説明 |
---|---|---|---|
<action> | 文字列 | Google アナリティクスのイベント レポートでイベント アクションとして表示される値。 | |
<category> | 文字列 | "(not set)" | イベントのカテゴリ。 |
<label> | 文字列 | "(not set)" | イベントのラベル。 |
<value> | 数値 | イベントの価値として表示される 0 以上の整数。 |
Google アナリティクスで解析されるイベントの構成について詳しくは、Google アナリティクス イベント パラメータの構成要素をご確認ください。
Floodlight アクティビティ
「Floodlight アクティビティ」は、測定の対象とする特定のイベント(購入の完了やウェブページへのアクセスなど)に対応するコンバージョンです。ユーザーがいずれかの広告を表示した後にアクションを行うと、コンバージョンが呼び出されます。詳細
gtag.js
Floodlight アクティビティは Google タグから gtag('event','conversion')
によって送信されます。このコードは、gtag()
関数の定義よりも後、可能であれば <head>
セクション内に配置するのが、パフォーマンス上最適です。
データのフィールドは、send_to
プロパティのパラメータの文字列として送信されます。このフィールドは、タグの種類やカウント方法、タグに渡すその他のデータによって異なります。
Floodlight コンバージョン アクティビティの例を次に示します。
gtag('event', 'conversion', {
'allow_custom_scripts': true,
'u1': '[variable]', // custom Floodlight variable
'send_to': 'DC-[floodlightConfigID]/[activityGroupTagString]/[activityTagString]+[countingMethod]'
});
タグ マネージャー
Google タグ マネージャーを使用して Floodlight アクティビティを設定することができます。詳しくは、ヘルプセンター ドキュメントをご確認ください。