バナー広告は、デバイス画面の上部か下部にアプリのレイアウト内の一部分を使用して表示されます。アプリの操作中は画面に表示され続けますが、一定時間が経過すると自動的に更新されるよう設定できます。
このガイドでは、AdMob のバナー広告を Flutter アプリに統合する方法を説明します。また、コード スニペットと設定方法のほか、バナーの適切なサイズに関する情報も紹介します。
常にテスト広告でテストする
アプリの作成とテストでは、実際の配信中の広告ではなくテスト広告を使用するようにしてください。実際の広告を使用すると、アカウントが停止される可能性があります。
テスト広告は、次に示すバナー広告向けのテスト専用広告ユニット ID を使うと簡単に読み込むことができます。
Android
ca-app-pub-3940256099942544/6300978111
iOS
ca-app-pub-3940256099942544/2934735716
テスト広告ユニットはすべてのリクエストに対してテスト広告を返す特別な広告ユニットで、アプリのコーディング、テスト、デバッグで自由に使うことができます。アプリを公開する前に、必ず独自の広告ユニット ID に置き換えてください。
広告を読み込む
次のサンプルでは、バナー広告をインスタンス化しています。
class BannerExampleState extends State<BannerExample> { BannerAd? _bannerAd; bool _isLoaded = false; // TODO: replace this test ad unit with your own ad unit. final adUnitId = Platform.isAndroid ? 'ca-app-pub-3940256099942544/6300978111' : 'ca-app-pub-3940256099942544/2934735716'; /// Loads a banner ad. void loadAd() { _bannerAd = BannerAd( adUnitId: adUnitId, request: const AdRequest(), size: AdSize.banner, listener: BannerAdListener( // Called when an ad is successfully received. onAdLoaded: (ad) { debugPrint('$ad loaded.'); setState(() { _isLoaded = true; }); }, // Called when an ad request failed. onAdFailedToLoad: (ad, err) { debugPrint('BannerAd failed to load: $error'); // Dispose the ad here to free resources. ad.dispose(); }, ), )..load(); } }
バナーのサイズ
標準のバナーサイズについては、以下の表をご覧ください。
サイズ(単位は dp、幅×高さ) | 説明 | AdSize の定数値 |
---|---|---|
320×50 | 標準バナー | banner
|
320×100 | バナー(大) | largeBanner
|
320×250 | レクタングル(中) | mediumRectangle
|
468×60 | フルサイズのバナー | fullBanner
|
728×90 | リーダーボード | leaderboard
|
指定された幅 x 最適な高さ | アダプティブ バナー | なし |
カスタムのバナーサイズを定義するには、次のように希望の AdSize
を設定します。
final AdSize adSize = AdSize(300, 50);
バナー広告イベント
BannerAdListener
を使用すると、広告の読み込み時などのライフサイクル イベントをリッスンできます。この例では、各メソッドを実装し、コンソールにメッセージを記録します。
class BannerExampleState extends State<BannerExample> { BannerAd? _bannerAd; bool _isLoaded = false; // TODO: replace this test ad unit with your own ad unit. final adUnitId = Platform.isAndroid ? 'ca-app-pub-3940256099942544/6300978111' : 'ca-app-pub-3940256099942544/2934735716'; /// Loads a banner ad. void loadAd() { _bannerAd = BannerAd( adUnitId: adUnitId, request: const AdRequest(), size: AdSize.banner, listener: BannerAdListener( // Called when an ad is successfully received. onAdLoaded: (ad) { debugPrint('$ad loaded.'); setState(() { _isLoaded = true; }); }, // Called when an ad request failed. onAdFailedToLoad: (ad, err) { debugPrint('BannerAd failed to load: $error'); // Dispose the ad here to free resources. ad.dispose(); }, // Called when an ad opens an overlay that covers the screen. onAdOpened: (Ad ad) {}, // Called when an ad removes an overlay that covers the screen. onAdClosed: (Ad ad) {}, // Called when an impression occurs on the ad. onAdImpression: (Ad ad) {}, ), )..load(); } }
バナー広告を表示する
BannerAd
をウィジェットとして表示するには、load()
を呼び出した後に、サポートされている広告で AdWidget
をインスタンス化する必要があります。ウィジェットは load()
を呼び出す前に作成できますが、ウィジェット ツリーに追加する前に load()
を呼び出す必要があります。
AdWidget
は Flutter のウィジェット クラスから継承され、他のウィジェットと同様に使用できます。iOS では、指定した幅と高さのウィジェットにウィジェットを配置するようにしてください。そうしないと、広告が表示されない可能性があります。BannerAd
は、広告に一致するサイズのコンテナに配置できます。
... if (_bannerAd != null) { Align( alignment: Alignment.bottomCenter, child: SafeArea( child: SizedBox( width: _bannerAd!.size.width.toDouble(), height: _bannerAd!.size.height.toDouble(), child: AdWidget(ad: _bannerAd!), ), ), ) } ...
広告へのアクセスが不要になったら、広告を破棄する必要があります。dispose()
を呼び出すおすすめのタイミングは、AdWidget
がウィジェット ツリーから削除された後、または BannerAdListener.onAdFailedToLoad()
コールバック時です。
これで、アプリにバナー広告を表示できるようになりました。
Android 9 以前でのスクロールの制限
Android 9 以前を搭載した古いデバイスや低性能のデバイスでは、スクロール ビュー内にインライン バナー広告を表示すると、パフォーマンスが最適でない場合があります。Android 10 以降でのみ、これらのタイプのバナーを使用することをおすすめします。アンカーバナーなどの固定位置バナーは影響を受けず、すべての Android API レベルで最適なパフォーマンスで使用できます。